元禄婦人像の作品は、主にヨーロッパ向けの輸出品として、有田の地で製作されておりました。型による成型の為に、同じ姿の作品は多くありますが、土、絵付の際の目、口、眉の絵描き方は、全てにおいて異なっており、それぞれの美しい表情を醸し出しております。元禄婦人像の本歌の見分け方は、まず髪型が、御所髷という、寛文から元禄頃に流行した髪型になっており、打掛は、寛文期の衣装文様集からとった文様である事、そして何より髪の色、つまり黒釉の色で時代の判別をする学芸員、研究員がほとんどという事です。元禄期の婦人像は、艶消しの如くしずんだ奥行きのある黒釉である事です。そして、金彩は妙に明るくない本金を使用している事、そして赤色は、自然釉薬であるべんがらを使用し、これもまた妙に明るくなく、しずんだ深い赤である事そして、首がやや前傾に傾いている事、そして器形が焼成時にはじけないように、型成した後、丸竹ベラ(キリ状の物)で、見えにくい側面足元を抜く為、その抜いた部分が器形体内に残り、振ればカラカラと音がする事など、本物の要素を確実に見れば、ひとにぎりの本物の美を実感できるという事です。何より、この婦人像は、首の直しも一切なく、釉ハゲもほとんどない、まさに美術館級の実に見事な名品中の逸品のお品です、無キズ、美品の極めて状態の良い本物の美を見てとれる実に美しい作品です。高さ43.3㎝ 幅径21.2㎝写真にてご判断下さいませ。Ω宅急便 120サイズ